水星と金星は地球より内側を回っているので、太陽からの角距離にはかならず上限があります。一回の出現期間を通して、惑星が振れ出し、折り返し、戻ってくる様子を見てください。
最大離角とは、視線がちょうど惑星の軌道に接する瞬間のことです。
どちらも地球より内側を回るので、私たちから惑星へ引いた線は、太陽へ引いた線からある角度以上は離れられません。上限は視線が惑星の軌道に接する位置で達せられ、軌道が円なら、その角は惑星の太陽からの距離(AU 単位)の逆正弦になります。
金星の軌道はほぼ円なので、円軌道の式はその最大離角を一度以内で言い当てます。水星は違います。離心率 0.206 では太陽は軌道の中心から大きくずれており、最大離角はその出現期間が水星の近日点近くで起きるか遠日点近くで起きるかで変わります。水星について一つの数字だけを挙げれば、五度も外すことになります。
折り返し点が最大離角です。0 が合で、符号は惑星が太陽のどちら側にいるかを表します。
水星や金星を探す前に、太陽のどちら側にあるかを確認します。東方最大離角なら日没後の西空、西方最大離角なら日の出前の東空が観察向きです。最大離角は角距離が局所的に最大になる時刻であって、高度や薄明条件が最良とは限りません。緯度と黄道が地平線となす角度も、実際に見られる時間を左右します。
表の円軌道上限は軌道長半径の比だけで見積もった値で、実際の範囲には軌道離心率による変化が残ります。水星では差が大きいため、特定の最大離角を調べるときに 22.8 度を固定値として扱うことはできません。
金星に満ち欠けがあること自体が、地球中心モデルを崩した観測でした。プトレマイオスの配置では、金星はつねに地球と太陽の間にとどまる周転円に乗るので、三日月形にしかなりえません。ガリレオはそれが凸相になるのを見ました。
水星はこの規則に従いません。条件を付けずにそう書いてある教科書は、円軌道という特別な場合を引用しています。水星の最大離角での位相角は 74 度から 106 度まで動き、照らされた割合は 37% から 64% までばらつきます。
頂点は離角およそ 39 度、円面の四分の一ほどが照らされたあたりで、内合の前後およそ五週間です。一回の出現期間に二度、宵の空と明けの空で一度ずつ起こり、これがあらゆる惑星が到達しうる最大の明るさです。暗い空では影ができるほど明るく、どこを見ればよいか分かっていれば昼間でも見つかります。
ここでの明るさは純粋な幾何です。受ける日射、照らされた割合、距離。実際の測光では大気と散乱角に対する位相関数が加わり、頂点は数日ずれます。このページの数字はいずれも等級の予報ではありません。
| 惑星 | 離心率 | 円軌道での上限 | 実際の範囲(16 年) |
|---|---|---|---|
| 水星 | 0.206 | 22.8° | 18°–28° |
| 金星 | 0.0068 | 46.3° | 45°–47° |
これが、どちらも真夜中には決して見えず、つねに薄明の天体である理由のすべてです。日没後の西の低空か、日の出前の東の低空か、それ以外にはいません。
視線が円軌道に接しているなら、最大離角での太陽・惑星・地球の角はちょうど 90 度になり、90 度離れた光源に照らされた球はちょうど半分の円面を見せます。金星はその通りに振る舞います。過去十六年のどの最大離角でも、円面の照らされた割合は 49% から 51% の間です。
最大離角から内合へ向かうあいだ、金星は近づき続けるので円面は大きくなり、同時に照らされた弧はどんどん細くなります。私たちに届くのは照らされた面積、つまり両者の積であり、積が最大になるのはその途中です。
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軌道要素は NASA/JPL「Keplerian Elements for Approximate Positions of the Major Planets」(Standish & Williams, 1992)より、有効範囲は 1800–2050 年。位置は幾何位置で、光行時と光行差は含みません。黄道面の教材図であり、望遠鏡の視野の再現ではないためです。