衝と合

離角とは、ここから見た太陽と惑星の間の角です。一周期分を動かして、惑星が太陽に埋もれる 0 度から、一晩中見える 180 度まで進む様子を見てください。

惑星の「衝」とは何か

衝とは、外惑星が空の上で太陽から 180 度離れた位置にあり、地球が太陽と惑星のあいだに入る瞬間です。惑星は日没とともに東から昇り、日の出に西へ沈むので一晩中見え、火星・木星・土星を観測するには一年で最も良い時期です。

「合」とは何か

合とは、惑星が空の上で太陽と同じ方向にあり、離角がほぼ 0 度になる位置です。惑星は太陽とほぼ同時に昇って沈み、一日中日光に埋もれるため、会合周期の中で最も観測しにくい時期です。木星の場合、合から次の合までは約 399 日かかります。

衝のとき惑星が最も明るく、一晩中見えるのはなぜか

衝の前後には地球と外惑星の距離が一年で最も近い状態に近づき、明るさは距離の二乗に反比例して増し、地球に向いた面はほぼ全面が照らされ、しかも一晩中地平線の上にあるからです。ただし衝は方向で、最接近は距離で定義されるため、二つの時刻はふつう数日ずれ、火星では最大で八日ほど離れます。

木星が日没に昇るころ、ほぼ一晩中観測できる

外惑星が日没ごろ東から昇り、ほぼ一晩中見える配置を天文学では衝と呼びます。

片側で日没、反対側で惑星が昇る

太陽が西へ沈むとき木星が東から昇れば、空で二つはほぼ反対方向です。木星は夜中に高くなり、日の出近くまで沈まないため、観測時間を長く取れます。

外惑星が太陽から約180度離れた配置を衝と呼びます。衝は地球から見た方向を表す言葉で、衝突を意味せず、三天体が完全な直線になる必要もありません。

長く見える時期は明るくもなりやすい

衝の前後には地球が太陽と外惑星の間を通るため、距離が短くなりやすく、火星、木星、土星は明るく、望遠鏡での見かけの直径も大きくなることがあります。

楕円軌道のため、衝の日と最接近日は必ずしも同じではありません。地球軌道より内側の水星と金星には衝がなく、明け方や夕方の最大離角が観測機会になります。

合から衝へ、そして次の合へ

スライダーを合に合わせると、外惑星と太陽は空の同じ側に寄り、ほとんど日光に埋もれます。日付を進めると二つの離角は次第に広がり、180度付近で衝になります。さらに進むと離角は縮み、次の合へ戻ります。

水星と金星の軌道は地球の内側にあり、地球から見ると太陽から遠く離れられないため、衝はありません。観測では一晩中見えることではなく、明け方や夕方の最大離角を探します。

離角と観測できる時間

印した角は地球のところに描いてあります。その角は本来そこにあるからです。

外惑星の衝では、地球が太陽と惑星の間にあります。惑星は一般に地球に近く、地球側の面がほぼ全面照らされ、一晩中見えるため、観測に向く時期です。

衝の前後数週間、外惑星は星空の中を後戻りします。地球が内側から追い越し、視線の回る向きが一時的に逆になるためです。逆行の回はその折り返しを背景の恒星に描き、日付も同じページに並べています。

この周期が繰り返すのは公転周期ではなく会合周期です。地球も動いているからです。木星は太陽を一周するのに 12 年かかりますが、衝に戻るのは 399 日で、そのため衝は毎年ひと月ほど遅れていきます。

0 が合、180 度が衝。破線が各現象の時刻、実線が左図に表示している日付です。

実際に確かめるなら、日没後の東の空から始めます。衝に近い外惑星は日没ごろに昇り、真夜中ごろに高くなり、日の出ごろ西へ沈みます。明るさを比べるときは、数週間にわたり同じ惑星を近い高度で記録してください。一度の目測だけでは、衝の正確な時刻に達したかどうかは分かりません。

表の年数は、連続する二回の衝の間にある会合周期であり、惑星が太陽を一周する公転周期ではありません。地球も動いているため、木星は一周に約 12 年かかっても、衝は約 1.09 年ごとに戻ります。

衝はどれも同じではない

極端なのは火星です。悪い衝と良い衝とで距離がほぼ倍違い、明るさは距離の二乗で落ちるので、近日点近くの衝は遠日点近くの衝より数倍明るくなります。木星の衝はほとんど変わりません。だから「火星が衝」という情報は、「火星が大接近の衝」に比べてはるかに役に立ちません。

衝・最接近・最大光度は三つの日付

数時間の差は、一晩の観測計画には何の影響もありません。しかし、一方の定義で計算した日付が他方の定義で印刷された日付と一致すると期待するなら影響します。だからここでは定義を暗黙にせず書き出しています。

このページは幾何学的な定義を使います。衝とは、地球・月の重心から見て、J2000 座標系における惑星と太陽の黄経がちょうど 180 度違う瞬間です。暦に載る衝は視位置の衝で、光行時・光行差・その日の黄道が織り込まれています。両者は数時間ずれます。

離角と観測できる時間

惑星会合周期一回分の離角一周にかかる時間
火星180°2.14 年
木星180°1.09 年
土星180°1.04 年
天王星180°1.01 年
海王星180°1.01 年
よくある質問

衝の惑星が一晩中見えるのはなぜですか?

離角が 0 のとき、惑星は太陽とほぼ同じ方向にあり、近い時刻に昇沈します。これが合で、通常は太陽の光に埋もれて見えません。180 度では太陽の反対側にあり、日没ごろに昇って日の出ごろに沈みます。これが衝です。その間では角度に応じて観測できる時間が変わります。

衝のたびに惑星は地球へ最接近しますか?

衝は私たちが太陽と惑星を結ぶ線上に来ることを保証しますが、その線の長さについては何も言いません。どちらの軌道も楕円なので、衝のときの距離は二つの惑星がそれぞれ自分の軌道のどこにいるかで決まります。

衝と最接近は同じ日に起こりますか?

ふつう一週間以内に収まるので一つのことだと思いたくなりますが、違います。衝の定義は方向、最接近の定義は距離であり、両惑星が楕円上を進む以上、二つは一致しません。火星では差が八日ほどに達し、木星と土星では一、二日です。

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軌道要素は NASA/JPL「Keplerian Elements for Approximate Positions of the Major Planets」(Standish & Williams, 1992)より、有効範囲は 1800–2050 年。位置は幾何位置で、光行時と光行差は含みません。黄道面の教材図であり、望遠鏡の視野の再現ではないためです。